アメリカ本土でのUSCPA受験録

アメリカ本土でUSCPAを受験した過程を綴っています

元銀行員がアメリカ本土でUSCPA試験を受験した過程を綴っています

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海外在住者が日本のハローワークから一般教育訓練給付金を受け取った話

今回はUSCPAの勉強そのものから少し離れた話です。

 

私は日本で銀行に勤めたあと、夫のアメリカ駐在に伴って退職・渡米しました。働いていた間は当然雇用保険に加入していました。

雇用保険に関して、退職・失業後の職探し中に失業手当を受け取ることができるのは知られていると思いますが、労働者がスキルアップのために資格を取得したり語学を習得したりするのを支援する一般教育訓練給付金という制度があります。働いていた間は一度も使わなかったのですが、USCPAの資格取得のためにアビタスに入会した際、海外在住者でも支給条件を満たしていれば給付金を受け取ることができる、ということを知りました。

日本に住民票が無くても、マイナンバーが無くても、条件を満たしていれば給付金をもらえるんです!

事前準備は必要でしたが、先日、無事に約9万円の教育訓練給付金を受け取ることができたので、その手続きについて簡単にご紹介したいと思います。

 

 

1. まずは支給条件を確認して事前相談に行く

1-1. 一般教育訓練給付金の支給条件 

大前提として、一般教育訓練給付金の支給条件を満たしておく必要があります。詳しくはハローワークインターネットサービス - 教育訓練給付に書いてあるのですが、簡単に言うと、

①雇用保険への加入期間が3年以上

②退職している場合、離職日から受講開始日が1年以内であること

の2点です。働き始めたばかりの方や、過去に給付金を受け取ったことがある方などについては例外規定もあるので、自分が当てはまるかどうか確認してみてください。

私は3年以上働いていてその間雇用保険に加入しており、退職してから1年以内にアビタスのUSCPA講座を受講し始めたので、条件を満たしていました。

1-2. 最後の住民票住所もしくは代理人の住所を管轄するハローワークへ事前相談

全体の中で一番重要なのが、給付金申請をする前にハローワークに事前相談しに行くこと!

本来、教育訓練給付金の手続きは、受講終了後1ヵ月以内に住民票の住所を管轄しているハローワークに本人が出向いて必要書類を提出する必要があります。

ところが、私は渡米の際に住民票を抜いてしまっているので、管轄してくれるハローワークがありません。さらに、一時帰国のタイミングも限られているので、受講終了後1ヵ月以内という限られた期間に本人が手続きに行くというのも難しい状況です。

そういう場合、代理申請もしくは郵送申請が可能です。つまり、海外在住で日本に住民票がない場合、代理人の住所を管轄するハローワークに代理申請するか、日本での最後の住民票登録住所を管轄するハローワークに郵送申請するかのどちらかです。状況によって受付してもらえるかどうかが異なってくるので、渡航前や一時帰国の際に事前相談に行く必要があります。

私はアメリカから書類を日本に郵送するのが不安だったので、両親に代理をお願いしようと、一時帰国の際に実家の住所を管轄しているハローワークに事前相談に行きました。ところが、私の日本での最後の住民票登録住所が実家の住所ではなかったため、最初は「ここでは受付できないので日本での最後の住所を管轄するハローワークに申請してほしい」と言われました。しかし、免許証の住所を実家に変更していることを伝えると、こちらで手続きしてもらえることになりました。よく分かりませんが、代理申請についてハローワーク内の基準があるのだと思います。

なお、郵送申請は「やむを得ない理由があると認められた場合に限る」とされており、追加書類の提出が必要なようなので、ちゃんと事前相談で確認してくださいね。

 

2. 添削問題を提出して受講修了証明書を発行してもらう

2-1. アビタスの添削問題

アビタスのUSCPA講座を申し込む際に、一般教育訓練給付金も受給予定の有無を選択できます。ここで有にしておくと、通常の単位試験や小テスト以外に、添削問題をやることになります。添削問題は単位認定試験や小テストと同じように、オンラインで完結します。

この添削問題を、受講開始から11ヵ月以内に完了すれば、受講修了証明書を発行してもらうことができます。

私は勉強の進捗に合わせてFAR、AUD、REG、BECの順にちょうど11ヵ月で提出を終えましたが、もっと早くに添削問題だけ提出してしまうことも可能です。ただ、その場合でも受講修了証明書の発行は受講開始から12ヵ月後になるので、給付金を早めに受け取ることはできません。

2-2. 受講修了証明書を実家に郵送してもらう

受講修了証明書には、受講生本人の住所としてアメリカの住所が記載されるのですが、証明書そのものは本人以外の住所にも郵送してもらえます。

私は代理申請をお願いしている実家に郵送してもらいました。

 

3. 必要書類を準備してハローワークに提出する

3-1. 必要な書類

手続きするのに必要な書類は ハローワークインターネットサービス - 教育訓練給付に載っているとおりですが、アメリカに住んでいる私が提出したのは以下の書類です。

①教育訓練給付金支給申請書

②教育訓練修了証明書

③領収書

④住居所確認資料(運転免許証やパスポートのコピー)

⑤雇用保険被保険者証(コピー可)

⑥銀行の通帳もしくはキャッシュカード(コピー可)

⑦教育訓練経費等確認書

⑧代理申請書

 

このうち①~③、⑦はアビタスが講座終了後に郵送してくれるもので、⑧はハローワークに備え付けの書類で事前相談に行った際にもらいました。一時帰国の間に④~⑥を用意し、⑧に必要事項を記入して両親に預けておきました。

海外在住者の場合は、マイナンバー確認書類は不要とのことでした。

3-2. 代理申請もしくは郵送申請する 

添削問題を終え、アビタスから①~③と⑦の書類が届いたら、①教育訓練給付金支給申請書を代理人に記入してもらいます。記入に迷うところがあればハローワークに行ってから書けばよいと思います。

そしていよいよ、事前相談したハローワークに書類を提出です。

代理申請をしてくれた母によれば、事前相談の甲斐あってか、スムーズに手続きが進んだそうです。

3-3. 申請してから支給されるまでどれくらい時間がかかるの?

一般教育訓練給付金は、その場で現金ではもらえません。書類を提出した後日、本人の銀行口座に振り込まれます。母が代理申請をしてくれた約1週間後、日本の私の銀行口座に約9万円が振り込まれました。

 

 

日本から海外に渡航してしまうと、住民票はないし、マイナンバーも使用停止状態になってしまうし、こういう公的な手続きがとても面倒になってしまいますが、前もって準備しておけばきちんと制度を利用することができます。これは本当に日本の良いところです!(アメリカだと担当者によって言うことが違うのは日常茶飯事です。。。)

海外在住で条件を満たしている方は、ぜひ参考にしてみてください。