アメリカ本土でのUSCPA受験録

アメリカ本土でUSCPAを受験した過程を綴っています

元銀行員がアメリカ本土でUSCPA試験を受験した過程を綴っています

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アビタスとWileyを使った感想【まとめ】

USCPAを目指すと決めた時、独学でやりきる自信はなかったので、当然のように予備校探しをしました。そしてほぼアビタスで即決。その理由は、

・講義、テキストが日本語である

・単位認定試験がWebで受けられる 

 の2つでした。

 

アメリカに住んでいるのでアメリカの予備校のテキストが一番入手しやすいのですが、英文会計のバックグラウンドがないので、最初から全て英語だと理解するのに時間がかかり過ぎるし、単位取得サポートがないということで除外。プロアクティブも講義は日本語だけどテキストは英語とのことだったので除外。TACは証券アナリスト試験の時にも通っていたので馴染みがあったのですが、単位認定試験がWebで受けられず、アメリカだとニューヨークやシカゴなどの大都市まで行かなければならないのが不便すぎて除外。

こうして、消去法でアビタスに決まったのでした。

 

消去法だったとはいえ、実際にアビタスの講義・テキスト・問題集を使ってみて、良かった点と気になった点をご紹介しておきます。また、一度落ちてしまったAUDはWiley TEST BANKも使用したので、その感想もまとめます。

他の予備校に通っていないのであくまで主観ですが、ご参考まで。

 

アビタスの教材の良かった点と気になった点

【アビタスの良かった点】

①講義、テキストが日本語で分かりやすい

②MCはオンラインだと日・英をボタン一つで切り替えられるので、用語を覚えるのにとても便利

③単位認定試験もオンラインで受けられる

④AICPAリリース問題(過去問)が解ける

 

【アビタスの気になった点】

①CSUEBのトランスクリプトの発行依頼だけは直筆サインつきの書類を郵送しなければならない

②問題量が少ない(ので不安になるかも?)

③もろもろのアナウンスや対応がちょっと遅い

 

良かった点は書いてあるままです。

個人的に面倒だったのは、気になった点①でしょうか。アメリカから日本に郵送すると日数がかかるし紛失リスクがあるので、あらかじめ用意しておいて実家の両親に投函だけお願いしたり、日本出張に行く夫に託したりしました。これがネットで完結すると、海外在住者にとってはかなり楽なんですが。

一般受験生が気にするのは②問題量の少なさですよね。ただ、アビタスの問題量が少ないと思ってWileyを使ってみたAUDでは、逆にアビタスの良さを確認したりもしました。アビタスだけでちゃんと受かってらっしゃる方もいますし、私もAUD以外はそうでしたから、人それぞれということですね。

③アナウンスの遅さは、システムメンテナンスや祝祭日の停止について。もう少し早めにアナウンスしてもらえると計画が立てやすいなと思ったことが何回かありました。トランプ税制のような大幅な法令改正でなければ、補足資料は随時アップされてますし、サポートはしっかりしていると思います。トランプ税制ではなかなか新しい確定申告のフォーマットがアップされず、REGの新しいテキストがなかなか公表されなかったので、2019Q1に受ける予定だった人たちは大変だったと思います。

 

Wiley TEST BANK (AUD)の良かった点と気になった点

【Wiley TEST BANK(AUD)の良かった点】

①MC2,029問という圧倒的な問題量(アビタスは519問)

②リサーチ問題も含めて本番とほぼ同じ環境で問題を解ける

③Amazonで買えるので手に入れやすい

 

【Wiley TEST BANK(AUD)の気になった点】

①MC問題の使いまわし(実際の問題数は2,029問の6-7割程度か)

②リリース問題がない

③TEST BANKの購入だけではアプリが使えない

④TBSの少なさと問題構成の偏り

Wileyは日本のAmazonでも販売されているので、手に取りやすい洋書USCPA参考書ではないでしょうか。問題量も多いですし、本番とほぼ同じシステムで問題を解けるというのはとてもよかったです。

ただ、Wiley TEST BANK(AUD)だけで試験本番に臨むことはオススメしません。

その理由は気になった点に挙げていますが、致命的なのが④です。①については2,029問の6-7割といっても軽く1,000問は超えますし、②③は勉強方法を工夫すれば補えると思います。

しかし、Wiley TEST BANK(AUD)のTBSはたった60問しかありません。しかもこの60問のうち、売掛金のConfirmationに関する問題が独立して4問ありました。この4問、本番であれば1つの問題にまとめられてしまうような内容です。ということは、Wiley TEST BANK(AUD)の実質的なTBSの問題数は57問になります。

その中でリサーチ問題がすごく多いんです!

Wileyの実質的なTBSは57問、そのうちリサーチは15問、TBSに占めるリサーチの割合は26.3%。

実際のテストでは、TBS8問、そのうちリサーチは1問、リサーチの割合は12.5%。

なお、アビタスはTBS92問、そのうちリサーチは10問、リサーチの割合は10.9%。

Wiley TEST BANK(AUD)のTBSの問題構成はリサーチに偏り過ぎです。

通常のTBSの問題もほとんど参照資料がなく、かなり簡単です。AICPAが公開しているサンプルテストと比べればすぐ分かりますが、本番の方が断然難易度が高いので、Wiley TEST BANK(AUD)だけで本番のTBSに対応するのはかなり厳しいです。

 

まとめ

AUD以外の科目は分かりませんが、少なくとも私の経験では、アビタスをベースに基礎を勉強して、MCを強化したいと思ったらWiley TEST BANKをやってみるというのがいいのではないかと思いました。

 

予備校によってカバーされている、されていないという分野が無いとは言いませんが、本番のテストはAICPAが公表しているBlueprintに従って出題されます。試験ではそんなにニッチな問題は出ないので、まずは一つのテキスト・問題集をマスターするのが大切ですね。