アメリカ本土でのUSCPA受験録

アメリカ本土でUSCPAを受験した過程を綴っています

元銀行員がアメリカ本土でUSCPA試験を受験した過程を綴っています

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【後日譚②】日本で再就職しました

ご無沙汰しております。

2017年~2019年にかけて更新していたブログですが、いまでもアクセスしていただいておりとても嬉しく思っています。

私が受験していた頃と比べると、手続き面でもグアムの出願プロセスがオンライン化されたり、Testing Windowが廃止になったり、2024年1月からはUSCPA試験そのものが大幅にリニューアルされる予定だったりして、いろいろと変わっている部分もありますが、いまでも参考になる部分があれば幸いです。

 

USCPAはキャリアチェンジ・キャリアアップの役に立つのか?

自分がUSCPAを受ける前に一番気にしていたのは、「この資格を取れば、本当にキャリアチェンジやキャリアアップにつながるだろうか?」ということでした。

特に私の場合、夫のアメリカ駐在に帯同するために退職してしまったので、「アメリカ滞在中に何かやっておかないと社会復帰できなくなってしまう!」という不安が強かったです。

(いろいろな出来事が重なって銀行を退職しましたが、何らかの形でずっと働きたいと思っていました)

 

USCPAはきっと将来の求職活動の役に立つだろう、と信じて勉強を始めたわけですが、2021年に約4年のアメリカ生活を終えて日本に帰ってきて、実際に求職活動をやってみた感想は、

 

USCPAが求職活動に役に立った部分もあるし、役に立たなかった部分もある。

年齢、これまでの職歴、転職で希望する条件によるので役に立つかどうかは人それぞれ。

私のケースについて言えば、離職期間(ブランク)の免罪符になるかと期待していたけどそうはならなかった。

だけど英語力と専門知識の証明書としてはある程度機能してくれた。

 

……という身も蓋もないものでした。

ただ、結果として、現在は無事に社会復帰して、東証グロース上場企業で主にIR業務を担当しています。

 

ご参考までに、私の求職活動および現在の仕事においてUSCPAがどう役に立っているのかをご紹介したいと思います。

 

求職活動の条件

実は、USCPAの受験を終えてから子供が生まれました

というわけで、

・約8年の銀行勤務経験があるけど

・4年強のブランクがあり

・ブランクの間にUSCPAに全科目合格したけど

・会計業務や監査業務は未経験で(ライセンスも未取得)

・未就学児を抱えている

という状況で求職活動を始めました。

首都圏でしたが保活は最優先でクリア

未就学児を抱えながらの求職活動で、最大のネックになるのは保活、もとい保育園探しです。

本帰国後に住まいを決めるにあたっては、①夫の通勤時間、②保育園への入りやすさ、③家賃相場、の3点を重視しました。

当然、都心への通勤に便利なエリアは保活激戦区ですので、求職中から預けるなら、最初から認可保育園はあきらめて認可外保育園を狙うか、郊外で比較的保育園に余裕のある地域に住むしかありません。

私たちは、少し郊外で、都心への通勤にはやや時間がかかるけれども、比較的保育園に空きがあるエリアに住むことにしました。

小さな子供がいるので、保育園への送迎や急な体調不良への対応を考えると、通勤時間は短いに越したことはありませんが、子どもを保育園に預けないと働けませんから、やむをえませんでした。

ただ、折しも新型コロナウイルスの影響で多くの企業が在宅勤務を取り入れていた時期で、人材エージェントとの面談や企業の採用面接もほぼすべてオンラインになっており、リモートワークを希望しても受け入れてもらえる素地があったのは、私にとってはとてもラッキーでした。

そうは言ってもフルリモートワークOKのところは多くはないので、興味のある企業でも勤務地によってあきらめざるをえないケースもよくありましたが。。。

 

 

実際の求職活動

①コンタクトを取った人材エージェントの数:20社

求職活動を始めて最初の1カ月は、大手から小規模なところまで、多くのエージェントと面談をしました。

エージェントにも「コンサル業界に強い」「金融機関出身者に強い」「外資系に強い」など特色あるので、自分の希望や強みに合わせてコンタクトを取るのがおすすめです。

その中で良いエージェントと巡り合えるかどうかが求職活動の結果を左右します。

個人的には、大手は右から左に案件を流してくるだけでマッチング精度が低かった印象です。応募しても書類落ちになる確率が高いし、面接に進んでも求人票に記載された内容(「幅広く業務経験ができます」などの文言)が実際には違うというケースがよくあったので、途中から全く利用しなくなってしまいました。

中~小規模で、丁寧にマッチングしてくれるエージェントの方が、自分でいちいち調べる手間が省けてよかったです。

②応募した企業の数:24社

私の求職活動の軸は、①柔軟な働き方が認められていること(子育てと両立しやすいこと)、②財務会計に関する知見を活かせること、の2点でした。

この軸に基づき、私の希望に合っていそうな企業に応募しました。

③内定をもらった数:5社

応募した24社のうち、途中で辞退したところもありましたが、最終的に5社から内定をいただくことができました。

内訳は以下のとおりです。

・日系大手グローバル企業1社

・日系大手企業の新設子会社1社

・日系中堅企業1社

・上場前後の新興企業2社

「日系大手はブランクを嫌う」とエージェントから聞いていましたが、大手企業の中にもきちんと過去の経験や能力を評価してくれるところはありました。

求職活動においてUSCPAが役に立ったのか?

正直言えば、エージェント経由でのフィードバックを聞く限り、内定をいただいた5社すべてにおいて、一番評価されたのは過去の職務経験やその中で培ってきたコミュニケーション能力だったようなので、「USCPAが無くても内定をもらうことはできたかも?」とは思います。

ただ、個人的にはUSCPAの勉強をしておいてよかった、と思いました。

その理由としては、以下のとおりです。

・語学が堪能な人物であると評価してもらえる

・向学心があると評価してもらえる

・ブランクがあっても、自己紹介の時に自信を持って「離職中はスキルアップのためにUSCPAの勉強をして全科目合格しました」と言える

・監査法人を希望するなら書類は通りやすい

特に語学力については、まとめ記事にも書いた通り、渡米前の私のTOEICのスコアは820点でした。

uscpa-iori3.hatenablog.com

このスコアをそのまま履歴書に書いて求職活動をしたのですが、「直近テストを受けていないがこの時よりも上がっているだろう」と見られましたし、英語圏での留学経験や勤務経験がないにも関わらず、「すべて英語で行われるUSCPA試験に受かっているんだから英語能力は高い」と評価していただくことが多かったです。

実際、働き始めてから受けたTOEIC IPテスト(L&R)では、930点を取ることができました。

私の場合、USCPAの勉強だけでなく、アメリカで生活していたことも多少は加味されたかと思うのですが、USCPAに合格していたことによって、特に監査法人や外資系企業、海外現地法人がある日本企業、海外金融機関や海外投資家とやりとりする業務など、英語を使う業務がある企業や職種にはプラスに働いたと思います。

逆に、USGAAPの知識や英語力をほとんど必要とせず、それよりも実務経験を重視するような経理系のポジションは書類で落ちてしまうことが多かったです。

 

現在の仕事であるIR業務とUSCPA

IR業務でUSCPAが役に立っているか

冒頭に書いた通り、現在は東証グロース上場企業で、主にIR業務を担当しています。

IR業務は全くの未経験でしたが、以下の点ではUSCPAの知識が役に立っていると感じています。

・財務会計の基礎知識や分析能力

・英文会計に関する知識(英語開示資料の作成や海外機関投資家とのミーティングなどで必要になる)

私自身は、銀行勤務時代に、企業の財務数値やKPIのデータ、マーケット情報などを集めて分析し、プレゼンテーション資料を作成するような業務をやっていましたし、証券アナリストの資格も持っているので、1点目はUSCPAの勉強だけのおかげというわけではないのですが、2点目はUSCPAの勉強のおかげで英文会計の専門用語なども理解できているかなと思います。

ただ、IR業務は企業ごとに力の入れ具合や業務内容がだいぶ異なると思います。

英語の開示資料をそもそも作成していなかったり、作成していてもほぼ翻訳会社に外注していたり、海外機関投資家とのミーティングがほとんどなかったり、という上場会社も多いので、一概にIR業務にUSCPAが役に立つとは言えません。

英語のできるIR人材は少ない→キャリアにエッジが立つ

そもそも、私自身、IRポジションを希望していたわけではないですし、むしろ最初はエージェントからIRポジションを紹介されたときは、これまでの私の経験とは縁遠く業務内容のイメージがつかなかったのでお断りしていました。

ただ、あるエージェントから「日本には英語のできるIR人材がほとんどいないので、キャリアにエッジを立てられると思いますよ」と言われました。

実際にIR業務を始めて、他社のIR担当の方と交流してみても、その通りだなと感じます。

証券会社のカンファレンスでは、日本企業の多くは通訳をつけている状況です。

通訳を介すると、1時間のミーティングであっても実際にはその半分しか話せないし、通訳の経験・知識によっては細かなニュアンスを伝えるのが難しく、また、スピーカーの熱量や思いはどうしても伝わりづらくなってしまいます。

「英語で会社の状況や今後の見通しを正確に海外機関投資家に伝えることができる」ようになることができれば、なかなか稀有な人材になれると思いますし、上場企業のCFOにはそういった能力が求められています。

CFOにまではならずとも、英語を使ってIR業務を行った経験があればその他のキャリアにも活かせそうだなとは感じています。

私自身の今後のキャリアの方向性

IR業務自体は奥が深く、特に以下のような点に醍醐味を感じています。

・グロース上場企業なので比較的会社の規模が小さく、CEO、CFOなど経営陣と直接話をしながら、ある程度裁量を持ってIR戦略やストーリーを考えることができる

・統合報告書やサステナビリティ情報の開示など、型がなく正解のない世界なので、自由に想像力を発揮できる(明確な会計基準や指針がありそれに正確に従わなければならない財務会計とは真逆の世界)

・プライムへの移行やグローバルオファリングなど、今後の会社の成長に伴って様々な経験を積むことができる

・開示資料に基づいて機関投資家や個人投資家とIRミーティングをすることで、自分たちが出した資料や数字に対するフィードバックを得ることができる

今はほぼIR専任の状況なのですが、今後はもう少し幅広い経営管理業務、特に予実管理やKPIの分析など、数字に近い分野にも携わりたいなと思っています。

また、英語に関しても、もっとレベルアップして英語のIRミーティングのスピーカーもこなせるようになるべく、日々勉強しているところです。

 

さいごに

もし私が友人にUSCPAの勉強を始めるか相談されたら

もし私が友人からUSCPAの勉強を始めるか相談されたと仮定して、おすすめできる人を列挙してみます。

・日本語での財務・会計・監査に関する知識や実務経験がある

・英語での専門性を身につけたい

・将来的に監査法人や、英語や英文会計の知識が必要となる企業・職種への転職、あるいは海外での就職を考えている

・仕事や子育ての合間を縫いつつ、週に20~25時間程度の勉強時間を継続的に確保できる

こういった方はUSCPAの勉強をしてみても良いのではないかと思います。

逆にそうでない人は、予備知識がない状況での勉強が大変だったり、モチベ―ジョンを維持するのが難しかったりするので、あまり手放しでおすすめはできないなという印象です。

ライセンスは未取得のまま

なお、私自身はライセンスは未取得のままです。現在の業務でUSCPAの資格が必要なわけではないですし、コロナ以降、対面ミーティングの件数は減っていて名刺に肩書きを書いたところで名刺交換の機会も少ないのでライセンス取得に意義を見出せていません。

もし対面ミーティングが増えたり、それこそグローバルオファリングのために海外出張などにも行く機会がありそうだったら、取得を考えたいなと思っています。

こうやって悠長に構えていられるのも、グアム出願でアメリカ現地受験だったからですね。

 

 

USCPA自体はグローバルに通用する汎用性のある資格です。

受験するための事務手続きや勉強は大変でしたが、私自身は受験してよかったと思っています。

私の経験が誰かのお役に立てば幸いです。

【後日譚】正式(?)なCongratulatory Letterが届きました

最終回宣言してから約1ヵ月での更新です笑

 

というのも、タイトルの通り、Guam Board of Accountancyから正式(?)なCongratulatory Letterが来たからです。

 

書面の日付は6/13、消印は7/2、私の手元に届いたのが7/10でした。

個人情報だけ黒塗りにしていますが、各科目の受験日、スコアなどが載っており、私がイメージしていたCongratulatory Letterでした。

文章は前回とほぼ同じで、スコアはauthorizedされてるけどformal approval待ちだと。formal approvalが終わったという連絡でもないなら、前回のレターには何か意味があったのかなぁ。。。

それに不合格の結果は載せなくてもいいと思うんだけどな。。。

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Guamから届いた正式なCongratulatory Letter

 

なんにしても、最後の科目に合格してから4ヵ月後というNASBA加盟州と比べるとのんびりしたペースですが、Guamからも個人名とスコア入りのレターが送られてくることが分かりました。

もし転職などで合格実績を証明しなければならなくなった場合にはこれを提出すればいいですね。

おわりに ~アメリカ本土でのUSCPA受験録~

2017年12月にUSCPAの勉強を始めてから早1年半。

この間、FAR、AUD、REG、BEC、AUD(再)と受けて、なんとか全科目合格を達成することができました。

 

Yes, I'm all done!!!

 

USCPAを目指すと決めた当初、USCPAをアメリカ現地で受験した方の情報がまとまっておらず、日本に住んでいれば疑問に思わなかったような、「書類を送るのに何を使うんだろう? トラッキングできて安くて安全なのはどれ?」「証明写真はどこで印刷するんだ??」「Marriage Certificateに旧姓記載してもらえるのかな!?」みたいなことに迷い、USCPAの勉強だけでなくそういった手続き面も含めて紹介してくれるサイトがあればいいのに、と思ったのがこのブログを始めたきっかけでした。

それぞれ個別で検索すれば情報は出てくるのですが、アメリカ在住の日本人USCPA受験生向けに“少なくとも私はこうやったよ”というのが紹介できれば、それだけでも参考になるのではないかと思ったのです。

他ならぬ私自身がそうでしたから。

 

ブログを開設して以降、できるだけ、自分が欲しかった情報を中心にリアルタイムでブログを書いてきました。

学歴評価にかかる時間や、出願からNTS取得にかかる時間、NASBAへ電話したときのこと、模擬試験で悲惨なスコアを出したことなどなど。

でも、実際にはこのブログで一番アクセスしていただいている記事は、FARの勉強方法についてだったりします。

自分の予想と世間のニーズは違うもんだな、というのも実感しました(笑)

 

 

仕事を辞めてアメリカに住み始めて、こちらで気軽に話せる日本人の友人もできたし、ESLに通って留学生のような気分を味わったりして、専業主婦生活をそれなりに楽しんでいましたが、駐妻にもいろんな人がいて、学歴も職歴も、キャリアや家族に対する考え方も、人それぞれ。

狭い日本人社会の中で上手くやっていくため、必要以上に相手に踏み込まず、自分も必要以上に喋らないようになった結果、たまに友人と会っても「あそこのレストランが美味しかった」とか「休暇で●●に遊びに行った」とか「家や車でこんなトラブルがあった」とか当たり障りのない会話ばかりになってしまい、これはこれで楽しいし役立つのですが、ちょっと物足りなさを感じていたのも事実です。

 

USCPAを受けていることはこちらでは夫以外には言っていません。仲の良い友人や若い世代はともかく、回りまわって耳に入った人の中には「駐在妻の本分は家族の健康管理。家事をサボって自分のための勉強をするなんて!」という考えの人がいるかもしれず、どこから何を言われるか分からないと思ったからです。

(アメリカに来て間もない頃、先輩奥さまに「せっかく仕事辞めてアメリカに来たので、大学院とか就職とかいろいろチャレンジしたいんです~」と無邪気に話したところ、しっかり釘を刺されたので、それ以降はあんまり表立って話さないようになりました)

 

 

ブログを始めた時は、どれくらいの人に読んでもらえるか分からなかったですし、ブログを通じての交流はほとんど意識していませんでした。

ところが、徐々にアクセス件数が増え、私も他のUSCPA受験生の方をフォローさせていただいたり、コメント欄などでやりとりしたりするようになり、受験仲間を得たような感覚になってきました。

結果発表の日、自分の結果を見てブログを更新しながら、あの人はどうだったのかなとソワソワしたり。

アクセス数を見ながら、こんなにUSCPA受験生がいるんだなと感じたり。

このブログを通じて孤独な勉強生活を乗り切るモチベーションをもらうことができました。

 

どんな方が読んでくれているのかに興味があって、Google Analyticsを導入していたのですが、このブログへのアクセスの約8割は日本から、1割はアメリカから、そして残る1割はそのほかの世界各国からです。

出張や旅行で一時的に海外からアクセスしただけという方もいると思うのですが、世界中にこれだけ日本人のUSCPA受験生がいるんだな、というのが分かったのも純粋に嬉しかったです。

 

 

資格は取って終わりではなく、それをこれからどうやって使うかの方が重要です。

ただ、残念ながら、私は現状すぐにライセンスを取得したり就職したりする予定はありません。

今後、もし状況が変わって、参考になるような出来事があればブログを更新するかもしれませんが、「USCPA受験録」としてのブログ更新はこれで一旦終了にしたいと思います。

 

コメントに対しては引き続き返信するので、何かご質問があれば気軽にコメントしてくださいね。

 

このブログが読んでくださった方の役に立てば幸いです。

これまで応援していただき、このブログを訪問していただき、ありがとうございました!

 

USCPAの受験全体を振り返る【まとめ】

Congratulatory Letterをもらってひと安心したところで、私のUSCPA受験生活を振り返ってまとめておきます。

 

2017年12月に勉強開始した時のスペック

学歴:日本の四年制大学法学部卒(経済・会計科目単位ゼロ)

職歴:日本の銀行に8年勤務(主に法人営業)

英語力:TOEIC820点(英語圏への留学経験ナシ)

関連する資格:日本証券アナリスト(2012年)

 

この中で受験勉強で一番役に立ったのは職歴です。

実務を通じて身に付けた知識というのは座学で得た知識よりもずっと役に立ちます。

銀行の法人営業として担当していた顧客企業の決算書を山ほど見ていたため、簿記2級相当の知識はあったんじゃないかと思います。仕訳は分からなくとも出来上がりのFinancial Statementのイメージは持っていましたし、まさに仕事でやっていた財務分析は得意でした。

また、主にBECの範囲になる金融・経済は基礎知識があったので、勉強が楽だったと思います。

TOEICのスコアは、一応目安として載せておきますが、あんまり意味はないと思います。リスニングなんてUSCPAには全く関係ありませんからね。

私のTOEICスコアは、日本全体の基準で言えばまぁまぁだと思うのですが、帰国子女や外資系企業で働く方と比べると低いですし、英語で仕事をしたことはなかったので会計専門用語が分からず、勉強を始めた当初は「inventoryってなんだっけ? あ、在庫のことか!」というレベルでした。

 

 

4科目合格するまでの道のり

全体感

USCPA受験ブログでは科目ごとの勉強時間を書いている方もいらっしゃるのですが、ずぼらな私は各科目の勉強時間を測っていませんでした。

ざっくりとした勉強スケジュールはアビタスのマイページにあるカレンダーで管理していたものの、昼間に家で一人で勉強していると、家事をやりながらになってしまったり、ログアウトせずに買い物に行ったり。。。

なので、全体のスケジュール感だけ振り返っておこうと思います。

 

2017年12月後半~1月初め  英文会計入門

2018年1月~2月     FAR

2018年3月         AUD

2018年4~6月初め    FAR(→81点で合格)

2018年6~7月初め    AUD(→58点で不合格)

2018年7~9月初め    REG(→85点で合格)

2018年10~12月初め   BEC(→79点で合格)

2019年1~3月初め    AUDリベンジ(→82点で合格)

 

トータルの勉強期間は約1年3ヵ月でした。

夫が会社に行っている間に勉強すると決めていたので、夫の出張中やREGのように追い込まれたときを除き、平日夜と週末はほとんど勉強しませんでした。

働いていないとはいえ、ESLに通ったり家事をやったりはしていたので、平均すると1日4~5時間、週20~25時間くらい勉強していたと思います。

フルタイムで働きながらとなると、この勉強時間が確保できるかどうかがポイントですね。

 

FARはやっぱり時間がかかる

FARは勉強開始から受験するまでトータル4.5ヵ月ほどかけています。

AUD、REG、BECは勉強開始から初受験まで約2ヵ月(AUDは勉強が飛び飛びになった上に1回落ちてますが)ですので、4科目の中では一番時間をかけて集中して勉強しました。

FARは範囲が広く、内容が複雑で、計算問題が多いのが特徴です。

1問あたりにかける時間が長くなりがちですから、本番の試験は時間との戦いでした。

FARを最初に受験する人が多いと思いますが、それはFARの内容が他の科目のベースとなっているから。

そして、FARがおそらく4科目の中で最難関であるから。

もし他の科目に合格した状態でFARに2回、3回と手こずってしまうと先に合格した科目がexpireしてしまう可能性が出てきますからね。

FARに1回で合格できたのはとても幸運だったと思います。

uscpa-iori3.hatenablog.com

 

AUDで大事なのは論理的思考力とアサーション

2018年7月に58点で不合格となり、2019年3月に82点でリベンジを果たしたAUD。トータルの勉強時間で言えば、たぶんFARと同じくらいかけました。

計算問題がほとんどなくて、問題文がFARより長く、当初から苦手意識がありましたが、一番苦労した科目でした。

まとめ記事で力説したとおり、AUDで大事なのは論理的思考力です。アサーションを意識して問題文を読むようになってから正答率がぐんと上がりました。

uscpa-iori3.hatenablog.com

 

REGは4科目の中で一番特殊

REGの範囲は税法とビジネス法なので、4科目の中では毛色が違う科目でした。なかなか勉強に集中できず、本番1週間前に受けた模擬試験で42点をたたき出してしまう始末。受験した直後はまったく合格できる感じがしませんでした。

が、結果としては85点と、4科目の中で一番高いスコアで合格しました。

試験を受けた時の感触と結果が全然違って、よく分からない科目だったなぁという印象です。

アメリカに住んでいるとはいえ、今は働いていないので確定申告しませんし、したとしても大抵の人はStandard Deductionで済むと思うので、Itemized Deductionの細かい内容を覚えるのは苦痛でした。

uscpa-iori3.hatenablog.com

 

BECは広く浅く、深入りは不要

試験範囲の広さで言えば、BECはFARに匹敵すると思います。

ただ、大きな違いは、FARは「広く深く」であるのに対して、BECは「広く浅く」であるということ。

金融・IT・経済をすべてカバーしようとすると勉強計画が破綻するので、問題集に載っていることをきっちり勉強すれば十分です。

なお、Written Communicationに関しては、内容の正確さよりも、英文報告書としての体裁が問われます。WCが苦手な方は英文ライティングの参考書を1冊買ってみるとよいかもしれません。

テストにWCが存在する理由については、SmokyAuditさんのブログ記事がとても勉強になります。アメリカで現役内部監査Directorをやっていらっしゃるのでとても説得力があります!

uscpa-iori3.hatenablog.com

smokyaudit.hatenadiary.com

 

 

全科目合格までにかかった費用

USCPAを受けようかどうしようか迷っている方が気になるのが費用だと思います。

私はFACSで学歴評価を行い、グアムに出願、アメリカ本土で受験したので、受験費用はかなり抑えられました。

 

学歴評価:$106.65(郵送$6.65+FACS$100)

初回出願:$473.50(郵送$6.70+出願料$50+受験料$208.40*2)

2回目出願:$473.50(郵送$6.70+出願料$50+受験料$208.40*2)

3回目出願:$265.10(郵送$6.70+出願料$50+受験料$208.40)

※郵送料は距離によって変わります。

 

ここまでトータル$1,318.75。

 

これにmarriage certificateや英文成績証明書を取得するための代金を足すと約$1,350

受験そのものにかかる費用は、出せない金額ではないですよね。

 

大きいのは上記以外の、予備校の授業料、単位取得代、参考書代ですね。

私は経済・会計科目がゼロだったのですべてアビタスが提携しているCSUEBで取得しました。

 

最終的に、出願料や授業料等もろもろ含めて、私がUSCPAに合格するまでに費やしたお金は全部で約86万円でした。

(1ドル110円で換算)

 

ただ、グアムは出願料が50ドルと安かったのも魅力でしたが、2019年6月13日からオンライン化されるとともに初回出願料200ドル、2回目以降100ドルになると発表されています。

日本人受験者の出願が多いだろうアラスカ州は175ドル、ワシントン州は155ドルですから、初回で4科目すべてに出願する人以外はまだグアムの方が安い計算になりますね。

 

グアム以外の州では学歴評価にFACSではなくNIESを使わなければならないところが多く、そうなると225ドルかかります。

 

さらに日本会場で受験すると1科目につき356.55ドルの追加料金!

 

費用の面では、グアム出願・アメリカ現地受験にしたおかげでかなり抑えられました。 

 

 

受験全体を振り返って

やっておいて良かったこと

①NASBAのSNSアカウントをフォローする

これはマストです!

何と言っても結果発表時刻が告知されますからね。

②2周目が終わった時点でまとめノートを作る

自分の知識を整理するためと、試験直前の見直しに役立ちました。

最初から作ると膨大な量になってしまうので、2~3周してある程度理解が進んだ時点で作成するのがベストだと思います。

 

やっておけば良かったこと

①AICPA Sample Testをもっと活用する

AICPAが実際にテストに出した問題をネット上で公開してくれています。

受験しようか迷っていた時にもこれを見てみれば、実際のテストのレベルと雰囲気が分かってよかったんじゃないかと思います。

また、FARで回線が安定せずにイライラしてしまったためその後やらなくなってしまったのですが、BECでそれを後悔しました。

試験直前には必ずSample Testをやった方がいいです。

www.aicpa.org

②アプリをフル活用する

2回目のAUD受験に向けた勉強中に初めてアプリを使用しましたが、スキマ時間を有効活用できるのでもっと早くに使っておけばよかったなぁと。

計算問題には向きませんが、AUDやREGにはオススメだと思います。

 

やってはいけないこと

 ①講義動画だけを見て問題演習を後回しにする

英文会計入門を勉強し始めた時、チャプター全体の講義動画が終わったらまとめて問題演習をするやり方でサクサク進めたので、FARもその調子で続けてしまいました。

あとで後悔。

問題演習をやらないと本番の試験は解けません!

必ずこまめに問題演習をやり、できるだけ繰り返すことが大事だと思います。

②無理なスケジュールで詰め込んで勉強する

人によって前提知識が違いますが、よほど自信がある人でなければ、2科目同時受験はオススメできません。

1科目ずつ範囲も傾向も違うので、どちらも中途半端になってしまう可能性があります。

個人的には1科目ずつ集中して勉強するのが一番でした。

③模擬試験の結果を気にし過ぎる

4科目を受けてみて、模擬試験と本番の結果があんまり相関しなかったなぁという印象です。

模擬試験が同じ55点でも、FARは合格、AUD1回目は不合格。

模擬試験では42点だったけど、REGは85点で合格しました。

もちろん受ける時期にもよると思うのですが、アビタスやWileyの模擬試験は、時間配分やテスト画面操作の練習として割り切って、直前まで追い込む諦めの悪さも大事かと!

 

 

まとめ

USCPAには向き不向きがありますが、金融・会計のバックグラウンドがある方にとっては手の届きやすい資格だと思います。

特に、駐在・留学など期間限定であってもアメリカに住んでいる方なら、現地受験できる上に最悪日本に帰った後も受験を継続することができるのでおすすめですよ!

 

Congratulatory Letterが来た!

いつも出来るだけリアルタイムでの更新を心掛けていたのですが、今回は諸事情により更新が遅れてしまいすみません。

 

5/1にGuam Board of Accountancyに「Congratulatory Letterが届いていない」というメールを送り、「送ります」と簡潔な返事をもらってから待つこと約1週間。

 

5/10にCongratulatory Letterを受け取りました!

 

消印は5/2で、普通郵便で送られてきました。

 

気になる中身は3つ。

①グアム版Congratulatory Letter

②最後に合格した科目のScore Notice

③Licenceの申込用紙

 

Congratulatory Letterの本文は3/25付。ということは、やっぱり4月中にQ1合格者に送られていたのに、私には届いていなかったのかな?

Score Noticeは複写防止用紙に印刷されており、自分で印字した物よりしっかりした紙で高級感があります。

Licence申込用紙はGuam Board of Accountancyにアップされているのと同じものでした。

 

Congratulatory Letterには別に私の名前やスコアが書いてあるわけでもないのですし、Strictly Confidentialといった文言もないので、そのままアップしますね。

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GuamのCongratulatory Letter

 

何にせよ、無事に受け取ることができてほっとしました。

ライセンスについては今すぐに必要というわけではないのでしばらく考えようと思います。

 

 

もし全科目合格したのにGuamから上記のレターが届いていない場合は、メールで問い合わせてみてくださいね。

グアム見込み受験合格者にはPassing Letterが来ない件

(2019/5/3末尾に追記しました)

ご無沙汰しております。試験を終えて以来すっかり更新頻度が落ちてしまいました。こんな状況でもたくさんの方にご訪問いただきありがとうございます。

 

日本は令和になり、10連休真っ只中ということですが、ここアメリカはどこ吹く風で平穏な日々を過ごしております。

 

合格後に送られてくるはずのCongratulatory Letter

さて、全科目合格が分かってから約1ヵ月半、ずっと待っているものがありました。

Congratulatory Letter (グアムではPassing Letter)です。

 

NASBA加盟州(ただしフロリダ州を除く)に出願して4科目すべてに合格した人には、Congratulatory letterというものが届きます。これには4科目の受験日と得点、そして今後ライセンスを取得するための注意事項が書いてあるそうです。

 

これ、グアム出願者はどうなんだろうと気になってました。

グアムはNASBAには加盟してません。よって出願プロセスはCPA Centralを経由せず、Guam Board of Accountancyに直接郵送します(今年の6月からオンライン化されるそうです!)。でも試験結果はNASBA Gateway(NASBA Single Sign On)で見ます。

ちなみに、グアムだけがNASBAに加盟していない特殊な地域というわけではなく、日本人にメジャーな州だとカリフォルニア州はNASBAにも加盟してないし、試験結果通知もGatewayじゃありません。

 

数年前のものですが、グアム出願者で合格発表から1ヵ月後くらいにCongratulatory letterを受け取ったという情報を見かけ、自分に送られてくるなら4月だろうなとソワソワ待っていました。

 

そもそもグアムの見込み受験合格者には送られないことに気づく

4月後半、もう役目を終えたUSCPAの参考書や出願書類を整理しながら見直していて気づきました。

初回出願の際に提出した見込み受験出願の同意書に、学歴要件を満たさないまま合格した科目はPassing Letterを受け取らないって書いてある!!

3. I understand that I will not receive a "Passing Letter" for any section of the CPA Exam I sit for prior to submitting proof of completion of my education fullfilling Guam's educational requirements;

4. I understand that I will recieve a "Contingent Grade Letter" apprising me of my CPA Exam section "contingent score", explaining the requirements for formal approval of my score(s) by the Guam Board of Accountancy; 

 

初回受験のときだけサインする書類だったので、すっかり忘れてました。

どおりで私には何も送られてこないわけですね。

2018年12月に二度目の成績証明書を郵送してもらったので、2019年3月に受かったAUDは教育要件を満たしてから合格したはずですが、科目ごとに送られてくるわけでもないのかな。

 

一応、結果発表のたびに掲載されるScore Noticeはダウンロードしてあるので、ライセンスを取得しない状況では、これを合格証明書代わりに使うしかないようです。。。

 

見込み受験なので、合格後の証明書類がないと不安になる

ただ、1点気になることが。

2018年12月に送られたはずの2回目の成績証明書、ちゃんとグアムに到着しているよね?

 

なぜ私がこんなにPassing letterのことを気にしているかと言えば、この郵送物紛失の多いアメリカで、私が依頼した成績証明書がちゃんとGuam Board of Accountancyに届いて処理されているのかというのが不安だからです。

見込み受験生は初回科目受験から18カ月以内に学歴要件を満たした旨を証明しないと、合格した科目の実績が取り消されてしまうんです。。。これは困る!!

 

アビタス経由で証明書の郵送を依頼するので、きっと私以外に同時期に証明書を依頼した方もいらっしゃるでしょうから、ちゃんと着いていると信じたいのですが、やっぱり不安です。

 

 

というわけで、Guam Board of Accountancyにメールで私のステータスについて問い合わせてみました。

1週間待っても返事が来なければ電話で重ねて問い合わせてみるしかないかなと思ってます。

グアムは本土からすると時差が大きいのでメールでやりとりできたら便利なんですけど(証拠も残るし)、アメリカではカスタマーサービスなんかにメールで問い合わせても無視されることが多いんですよね~。。。

 

グアムから返事が来たらまた更新しようと思います。

もうしばらくお付き合いくださいませ。

 

 

【2019/5/3追記】

ありがたいことに、Guam Board of Accountancyから即日返事が来ました。

「あなたは4科目すべてに合格していて、ライセンスにアプライするための教育要件も満たしています。Congratulatory letterを郵送します」

と書いてありました。

あれ、Congratulatory letterも郵送してくれるんだ!?

もしかしてもうちょっと待てば何もしなくても届いてたんだろうか?

それともすでに私宛てに送られたはずなのに紛失してるみたいだから再送してくれるのか?

 

文面だけでは分かりませんでしたが、何にしても少しほっとしました。

おとなしくCongratulatory letterを待ちたいと思います。

アビタスとWileyを使った感想【まとめ】

USCPAを目指すと決めた時、独学でやりきる自信はなかったので、当然のように予備校探しをしました。そしてほぼアビタスで即決。その理由は、

・講義、テキストが日本語である

・単位認定試験がWebで受けられる 

 の2つでした。

 

アメリカに住んでいるのでアメリカの予備校のテキストが一番入手しやすいのですが、英文会計のバックグラウンドがないので、最初から全て英語だと理解するのに時間がかかり過ぎるし、単位取得サポートがないということで除外。プロアクティブも講義は日本語だけどテキストは英語とのことだったので除外。TACは証券アナリスト試験の時にも通っていたので馴染みがあったのですが、単位認定試験がWebで受けられず、アメリカだとニューヨークやシカゴなどの大都市まで行かなければならないのが不便すぎて除外。

こうして、消去法でアビタスに決まったのでした。

 

消去法だったとはいえ、実際にアビタスの講義・テキスト・問題集を使ってみて、良かった点と気になった点をご紹介しておきます。また、一度落ちてしまったAUDはWiley TEST BANKも使用したので、その感想もまとめます。

他の予備校に通っていないのであくまで主観ですが、ご参考まで。

 

アビタスの教材の良かった点と気になった点

【アビタスの良かった点】

①講義、テキストが日本語で分かりやすい

②MCはオンラインだと日・英をボタン一つで切り替えられるので、用語を覚えるのにとても便利

③単位認定試験もオンラインで受けられる

④AICPAリリース問題(過去問)が解ける

 

【アビタスの気になった点】

①CSUEBのトランスクリプトの発行依頼だけは直筆サインつきの書類を郵送しなければならない

②問題量が少ない(ので不安になるかも?)

③もろもろのアナウンスや対応がちょっと遅い

 

良かった点は書いてあるままです。

個人的に面倒だったのは、気になった点①でしょうか。アメリカから日本に郵送すると日数がかかるし紛失リスクがあるので、あらかじめ用意しておいて実家の両親に投函だけお願いしたり、日本出張に行く夫に託したりしました。これがネットで完結すると、海外在住者にとってはかなり楽なんですが。

一般受験生が気にするのは②問題量の少なさですよね。ただ、アビタスの問題量が少ないと思ってWileyを使ってみたAUDでは、逆にアビタスの良さを確認したりもしました。アビタスだけでちゃんと受かってらっしゃる方もいますし、私もAUD以外はそうでしたから、人それぞれということですね。

③アナウンスの遅さは、システムメンテナンスや祝祭日の停止について。もう少し早めにアナウンスしてもらえると計画が立てやすいなと思ったことが何回かありました。トランプ税制のような大幅な法令改正でなければ、補足資料は随時アップされてますし、サポートはしっかりしていると思います。トランプ税制ではなかなか新しい確定申告のフォーマットがアップされず、REGの新しいテキストがなかなか公表されなかったので、2019Q1に受ける予定だった人たちは大変だったと思います。

 

Wiley TEST BANK (AUD)の良かった点と気になった点

【Wiley TEST BANK(AUD)の良かった点】

①MC2,029問という圧倒的な問題量(アビタスは519問)

②リサーチ問題も含めて本番とほぼ同じ環境で問題を解ける

③Amazonで買えるので手に入れやすい

 

【Wiley TEST BANK(AUD)の気になった点】

①MC問題の使いまわし(実際の問題数は2,029問の6-7割程度か)

②リリース問題がない

③TEST BANKの購入だけではアプリが使えない

④TBSの少なさと問題構成の偏り

Wileyは日本のAmazonでも販売されているので、手に取りやすい洋書USCPA参考書ではないでしょうか。問題量も多いですし、本番とほぼ同じシステムで問題を解けるというのはとてもよかったです。

ただ、Wiley TEST BANK(AUD)だけで試験本番に臨むことはオススメしません。

その理由は気になった点に挙げていますが、致命的なのが④です。①については2,029問の6-7割といっても軽く1,000問は超えますし、②③は勉強方法を工夫すれば補えると思います。

しかし、Wiley TEST BANK(AUD)のTBSはたった60問しかありません。しかもこの60問のうち、売掛金のConfirmationに関する問題が独立して4問ありました。この4問、本番であれば1つの問題にまとめられてしまうような内容です。ということは、Wiley TEST BANK(AUD)の実質的なTBSの問題数は57問になります。

その中でリサーチ問題がすごく多いんです!

Wileyの実質的なTBSは57問、そのうちリサーチは15問、TBSに占めるリサーチの割合は26.3%。

実際のテストでは、TBS8問、そのうちリサーチは1問、リサーチの割合は12.5%。

なお、アビタスはTBS92問、そのうちリサーチは10問、リサーチの割合は10.9%。

Wiley TEST BANK(AUD)のTBSの問題構成はリサーチに偏り過ぎです。

通常のTBSの問題もほとんど参照資料がなく、かなり簡単です。AICPAが公開しているサンプルテストと比べればすぐ分かりますが、本番の方が断然難易度が高いので、Wiley TEST BANK(AUD)だけで本番のTBSに対応するのはかなり厳しいです。

 

まとめ

AUD以外の科目は分かりませんが、少なくとも私の経験では、アビタスをベースに基礎を勉強して、MCを強化したいと思ったらWiley TEST BANKをやってみるというのがいいのではないかと思いました。

 

予備校によってカバーされている、されていないという分野が無いとは言いませんが、本番のテストはAICPAが公表しているBlueprintに従って出題されます。試験ではそんなにニッチな問題は出ないので、まずは一つのテキスト・問題集をマスターするのが大切ですね。