アメリカ本土でのUSCPA受験録

アメリカ本土でUSCPAを受験した過程を綴っています

元銀行員がアメリカ本土でUSCPA試験を受験した過程を綴っています

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FARに一発合格した勉強方法【まとめ】

6/27の結果発表から2週間が経ち、ようやくFARのScore Formが発表されました。以前お伝えしたように、81点で合格することができました。

1月にもFARの勉強方法について書きましたが、結果を踏まえて、私のFARの勉強方法について改めてご紹介したいと思います。

 

 

1. 勉強開始~テストまでのスケジュールとやったこと

①2018年1月~2月(1周目)

ユニットごとに講義を2倍速で視聴→MC。1つの章が終わったところでまとめてMC→TBS。範囲が終わるごとに単位取得試験を受験。

②2018年4月~5月前半(2周目)

各章ごとにMC→テキスト読み直し→TBS。

③2018年5月14日(本番の約3週間前)

アビタスの模擬試験受験(55点)。

④2018年5月後半~本番まで(3周目)

各章ごとにMCの間違えた問題をやり直し→ノートをまとめながらテキストにざっと目を通す→TBS。リサーチ問題、AICPAリリース問題(2017年)実施。

⑤2018年6月7日

FARを受験(81点で合格)。

 

全体の勉強量としては、ざっくり↓のようになりました。

MC:2.5周(3周目は間違えた問題のみ)

TBS:2.5周(同上)

リサーチ問題:アビタス教材を1周のみ

AICPAリリース問題:2017年分のみ

 

 

2. 勉強方法

1周目を開始した時点では、章ごとに講義を視聴してMCを解く、という流れでやっていたのですが、次第にMCを解く時間が無いまま講義だけが進んでしまい、やり残したMCが積み上がってしまいました。スケジュールを調整しながらあとで積み残しを片付けるのですが、これだと講義視聴から問題演習まで時間が空いてしまい、いざ問題演習をやってみたら全く分からない、という状況になってしまいます。ですので、途中で「ユニットごとに講義を2倍速で視聴してMCを解き、1つの章が終わったところでまとめてMC、TBSをやる」というやり方に変えました。これによってMCをやり残すことなく勉強を進めていくことができるようになりました。この1周目では、分からなければすぐに日本語訳を見て解くようにして、内容を理解することに重点を置きました。

なお、MCは実際にはユニット終了後と章終了後で2回解いていますが、1回目はカウントしていません。アビタスのシステムがそうなっているからそれに合わせた形ですが、実際、1回目はほとんど分からず解説を熟読してやっと理解できるという感じなので、実力をつけるための問題演習という意味では1回目はカウントしないのが良いように思っています。

1周目は、一度チャプター毎にMCを解いたあとで、記憶が新しいこともあって、MCについてはかなり正答率が高く記録されました。これがどんどん2周目以降で下がっていくのですが。。。

 

2周目は、日本語訳を出来るだけ見ずに解くようにしました。MC→テキスト読み直し→TBS、という流れにすることによって、問題演習を意識しながらテキストを読むことができ、理解が深まったと思います。

そうは言っても、3月をほぼAUDに充ててしまったため、ほぼ忘れてしまっているところも多く、MCの正答率はかなり下がりました。ただ、逆に言えば、学習から1~2ヵ月のブランクがあっても正解した問題は、完全ではなくてもなんとなく理解できている、ということのハズ。よって、3周目では間違えた問題のみやることにしました。

 

3周目は、リトライ機能を使って間違えた問題のみ解き直しました。出来の悪かった章に関しては、翌日にもさらにやり直し(4周目)をやったりもしました。3周目でも間違えてしまった問題を中心に、ノートにポイントをまとめました。自分の手を動かしてまとめると理解が進むのでノート作成はしたほうがいいと思いますが、1~2周目で作ると量が膨大になってしまい、直前の見直しには使いにくくなってしまうので、個人的にはMC3周目をやったあとに作成するのが良かったと思います。

 

1周目はMC1問に対して3分程度(解説を読む時間も含む)かかっていましたが、3周目にもなるとMC1問1~2分で済むようになってきました。本番のテストはまさにMC1問1~1.5分程度で解き進めなければならないので、本番のペースに実力が合ってきたのではないかと思います。

 

 リサーチ問題に関しては、受験直前に問題を解きながら、AICPA Online Professional Libraryを使い慣れるほかないと思います。問題演習にかぎらずいろいろとイジってみることで、公会計ならここだな、というようなアタリが分かってきます。もちろんそのチャプターナンバーを覚える必要はなくて、「この辺にあったな」くらいの認識でいいと思います。あとはいかに的確にキーワードを見つけるか。ただ、本番ではあまり時間をかけすぎず、見つからなければ捨てるのも大事だと思います。

 

AICPAリリース問題は、会計基準が変更されている可能性もあるので、あまり過去までさかのぼってやる必要はないように思います。もちろん、直前期に参考としてやるのは効果があると思いますが、私はもう二度と試験に出ないであろうAICPAリリース問題をやるより、基本を見直すためのMC・TBS・ノート作成に充てました。

 

AICPAのHPにあるSample Testは、初受験の前に何度もトライするのがいいと思いますが、私はまったく接続が安定しなかったので操作感を掴む程度しか使えませんでした。

 

3. FARの勉強におけるポイント

 もともと、2QにFARとAUDを受けようと思って2018年1月から本格的に勉強を始めましたが、結局、2科目同時並行は私には無理だと気づき断念しました。

単位取得の関係で3月をほぼAUDに費やしてしまったため、FARの勉強は1~2月(1周目)、4~5月(2~3周目)に分断されてしまいました。AUDはFARと重なる部分も多いとはいえ、テスト日程が差し迫った直前期には、3月にほとんどFARの勉強ができなかったのを後悔しました。その1ヵ月をFARに充てていれば、AICPAのリリース問題ももっとできたし、WileyやBeckerなどアメリカのUSCPAの参考書にも取り組めたのではないかと思ったからです。

蓋を開けてみれば81点で合格できたので良かったのですが、それぞれの科目に集中して勉強→受験をした方が合格はぐっと近くなると思います。

 

自分がなぜ一発合格できたのかを考えていたのですが、

①常に仕訳を意識しながら問題を解き、適宜テキストを見直すようにした

②本番では個々の問題に時間をかけ過ぎないように意識した

③リサーチ問題で早々に答えを見つけることができた

の3点がポイントだったと思います。

 

①についてですが、FARのMC問題では仕訳が分からなくてもなんとなく解ける問題もありますが、仕訳が分かっていないと正確な会計処理を理解したことにはなりません。当然、仕訳が分かったほうが正答率は上がりますし、TBSで仕訳を切る問題が出た際にも慌てずに取り組むことができます。MCの2~3周目では、問題解答そのものには必要とされていなくても、常に「このケースでは仕訳はどう切るのか」を考え、手を動かして仕訳を書き、理解が曖昧なところはテキストを見直すようにしました。

②は時間配分と意識の問題です。FARは特に範囲が多く計算問題が多いので時間との勝負になるので、難問に気を取られ過ぎないことが重要だと思います。難しい問題は英語ネイティブも解けません。USCPAの試験にはダミー問題も含まれていますし、合格者のレベルが一定になるよう点数調整が行われるので、テスト直後の手ごたえもあんまりアテになりません。とにかく、解ける問題を1つでも増やすよう勉強し、本番で落とさないことが大事です。

③は、先日受けたAUDのテストでリサーチが解けなかったので痛感しましたが、リサーチはTBSの中で唯一出来たかどうかが明確に分かる問題だと思います。これが早めに解ければ精神的にも時間的にも楽になります。TBSで1~2問必ず出題される、と分かっているので、これを捨てるのは勿体ないです。本番直前にAICPA Online Professional Libraryを使う練習はしっかりしておくべきだと思います。ただ、どうしても見つけられない場合、割り切る勇気も必要だと思います。

 

以上、FARの勉強方法についてでした。

それぞれの経験や知識量によって勉強方法は変わってくると思いますが、一つの事例として参考になれば幸いです。